■記号の説明・・・問=問合せ IP=IP電話 FAX=ファクス ■特集  共に考え、共に創る。〜未来につなげるまちづくり〜 ● 本市では、行政と市民の協働によるまちづくりを一層進めるため、第二次東近江市市民協働推進計画(令和6年度から令和15年度までの10年間)を策定しました。  今回は、市内各所で行われているさまざまな協働の取組の一部を紹介します。 ●人と人がつながる豊かな本市を目指すために  本市では、「惣村」(※)と呼ばれる地域の人たちによるまちづくりが古くから根付いています。少子高齢化や人口減少など社会情勢が大きく変化する中、本市では、自分たちのまちをより良くしようと市民自らが気付き取り組むさまざまな活動を支援するため、第一次東近江市市民協働推進計画を平成26年度に策定し、地域課題の解決や豊かな暮らしにつながる施策を展開してきました。  令和6年4月に策定した第二次東近江市市民協働推進計画では、これまでの取組を更に進め、本市の先人が守り育ててきた財産である自然環境や、歴史・文化のすばらしさを再発見・発信することによって、市民が本市に誇りをもち、未来のまちづくりに積極的に関わり、人と人がつながり合える豊かな東近江市を目指しています。 ※惣村とは、室町時代を中心に農村で発生した自治的な組織 ●第二次東近江市市民協働推進計画4つの基本施策 ◆基本施策1 郷土愛と人づくり ◯東近江市の「アイデンティティ」の再発見 ◯推進体制の促進 ◆基本施策2 交流・活動の基盤づくり ◯資金調達の仕組みの拡充 ◯情報の共有 ◯交流・活動の場づくり ◆基本施策3 持続可能な地域自治の醸成 ◯自治会活動の推進 ◯まちづくり協議会活動の推進 ◯協働による地域自治の仕組みづくり ◆基本施策4 協働の仕組みづくり ◯中間支援組織との連携を促進 ◯協働による「地域共生」のまちづくりを推進 ●学生カフェで地域の人と交流  一昨年の中学生議会をきっかけに、世代を超えて地域に根ざしたつながりで、より良い地域をつくりたいと、愛東中学校出身の高校生3人が「学生カフェ Fika」をプレオープンしました。北欧には、家族や同僚と一緒にコーヒーと焼き菓子を楽しみながらひと息つく「フィーカ」という習慣があり、学生と地域の人が交流する場を提供したいという思いで名付けました。  学生が企画していますが、学校との調整や場所の提供、保険の加入など学生では難しい部分は愛東地区まちづくり協議会やあいとうふくしモール、愛東くらしの会議など、さまざまな団体や地域の大人が協力をしています。  現在8月の本格オープンに向けて準備の真最中です。皆さんぜひ足を運んで地域や学生と交流の輪を広げてください。 ●地域の人との交流の場を未来へつなげる  プレオープンでは、たくさんの人から「おいしかった」の声やアドバイスが聞けて嬉しかったです。  この活動を企画から考えることで得たものを将来の自分の夢にいかしたり、後輩たちに引き継いでいったりすることで、地域の人との交流の場を未来へつなげていきたいです。 村山鈴音さん(八日市高等学校1年)、松吉颯希さん(八日市高等学校1年)、横田侑亜さん(彦根翔西館高等学校1年) ●トレイルコースで地域の魅力を発信  里山保全団体である「きぬがさ山里山に親しむ会」、「趣邑」、「山貴会」が繖山から箕作山までのトレイルコースを整備する中で生まれた「東近江トレイル構想」。平成30年10月に五個荘地区まちづくり協議会が観光資源としての活用を東近江市に提案したことをきっかけに、東近江トレイル実行委員会が設立されました。  その後、東近江市エコツーリズム推進協議会のメンバーとして、里山の原風景を守る環境整備を進める一方、低山の魅力を伝えるシンポジウムやエコツアーを開催。身近な自然をいかした東近江トレイルの定着を図り、地域の活性化を目指しています。 ●子どもたちに里山の魅力を伝える  東近江市の豊かな自然や歴史・文化、観光資源をさまざまな人に知ってもらい、体感してもらえるよう、里山の環境整備やツアーの企画をしています。ほかにも登山サポートを通じて、子どもたちが自然に親しむきっかけや里山の楽しさを伝えています。里山を保全する人材を育成することで、豊かな里山を未来につなげていきたいと考えています。 東近江トレイル実行委員会 事務局 西野裕紀子さん ●魚のゆりかご水田で培い広がる協働の輪  平成18年からびわ湖周辺の水田に湖魚が産卵・繁殖のために遡上できるよう、排水路に魚道を設置する取組からスタートし、企業や大学、栗見出在家町自治会を含む8団体が共に活動しています。  さらに、水田オーナー制度を活用して、食農教育・環境教育の実践による市民と都市住民との交流や首都圏の中学生を受け入れる農家民泊など、協働の輪が広がっています。 ●子どもたちを巻き込み次世代へ  魚のゆりかご水田活動は、「かつての田園風景を取り戻す」、「安全・安心な米づくり」、「地域の一体化」などの目標を掲げて取り組んでいます。  この活動は、さまざまな賞を受賞し、全国的に認知されてきています。本市でも広く市民にこの活動を知ってもらい、農家、非農家に関わらず、子どもたちにも関心をもってもらうことで次世代へつなげていきたいです。 魚のゆりかご水田協議会 ●びわ湖の森を元気に  びわ湖の森を元気にするプロジェクト「kikito」は、びわ湖の水を育む大切な場所である森林を健全に保つため、森林の仕事に携わるさまざまな人たちが集まって始まりました。kikitoは、間伐材を活用した製品(鉛筆やコピー用紙など)を作ることで、森林の保全につなげています。また、森林を適正に管理するために木材の買取りを行い、木材の活用を促しています。 ●4月に受賞 令和6年緑化推進運動功労者内閣総理大臣賞を受賞  間伐材の利用促進と広く緑化意識の醸成に貢献してきたことが評価されました。 ●豊かな自然や生物を残していきたい  森林所有者から間伐材を買い取り、地元企業や木工職人と連携して地域材を無駄なく有効に活用できるように取り組んでいます。山や森の価値を再認識するきっかけとして、企業の森のコーディネートを通して森林整備や森林学習を地域と一緒に行い、新たなつながりを生んでいます。  東近江市の豊かな自然や生物を、「kikito」の活動を通して将来につないでいけるよう挑戦しています。 一般社団法人kikito 代表理事 大林恵子さん ●Check ■中間支援組織ってなに?  地域課題の解決に向けて、市民、行政、事業者などをつなぎ、活動を支援することで「協働」の下支えをしています。 ・相談や協働のコーディネート ・多様な主体およびボランティアのネットワークづくり ・資金調達の支援、情報提供 など ■中間支援組織の一例 ◯特定非営利活動法人まちづくりネット東近江  市民の主体的な活動を応援する「つながる」「ひろがる」「支えあう」をテーマに、相談やネットワークづくりなどさまざまな事業を通じて支援しています。 ◯東近江三方よし基金  「誰かの夢を応援したい」「困っている人の役に立ちたい」そんな想いをいかし地域のお金を循環させることで、社会的意義のある活動と皆さんの応援をつなぎます。 ●あなたも始めてみませんか  本市では、今回紹介した取組をはじめ、自分たちのまちを良くしようと多くの人が活動しています。時代の変化に対応し、持続可能なまちづくりを進めていくためには、市民一人一人がまちづくりの担い手となって、積極的に参加していくことが必要です。  市民と市民、行政と市民が補完し合いながらまちづくりを行い、さらにその活動がつながり、新しい人を巻き込んで輪が広がれば、よりすばらしいまちになっていきます。まずは、身近なところから参加してみませんか。 問合せ まちづくり協働課 IP電話 050‐5801‐5623 ファクス 0748‐24‐5560