長村鋳物師を後世につなぐ 黄地浩さん
[2017年8月1日]
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梵鐘 株式会社金壽堂工場長 黄地 浩(おうち ひろし)さん(長町)
長村鋳物師を後世につなぐ
長町の鋳物の歴史は約700年前。愛荘町の東漸寺の梵鐘を鋳造したとされています。都にも近く、中国大陸や朝鮮半島から文化が入り、周囲に鉱山があったため、この地域で鋳物文化が発達したと言われています。長町以外にもこの地域には鋳物に関係する遺跡や地名が多く残されています。
しかし、アルミ製品の普及や、戦争による梵鐘の供出などの影響で伝統的な鋳造所は少なくなり、ここが県内唯一となりました。
金壽堂は聞いた人が穏やかになるような音色のする梵鐘作りを追い求められています。「梵鐘は無くても生活には困らない。しかし、長年暮らしに寄り添い存在してきています。これは音色が人々の心を穏やかにし精神的な平和をもたらしてきたからだと思います。無心になり、聞き手の心と共鳴できるような梵鐘づくりを追及しています。」と話す黄地さん。
「今後は工場の側にある空家を活用して地域の拠り所を作り、長村の鋳物師文化を継承したいです。また、海外からの注文もありますので、海外にもこの文化を発信していきたいです。」
黄地さんが手掛けた梵鐘が人々の心を癒し続けます。