近江だるま保存会の皆さん
[2019年3月29日]
ID:10229
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郷土玩具として広く伝えたい
近江だるま保存会の皆さん
東近江市に伝わる張り子の郷土玩具、近江だるま。少しとぼけたような表情の男だるま、への字形の細い眼と小さな口が特徴の女だるまや姫だるまなど、愛くるしくさまざまな表情を見せてくれます。
近江だるまの制作方法は、まず、木型に細くちぎった和紙を張り重ね、そして乾かしたあと、和紙に切れ目を入れて型から外し、だるまの底へ重しとなるよう田んぼの土をつけます。出来上がっただるまにさらに和紙を張り重ね、起き上がり小法師(こぼし)にします。そこに特徴ある顔を描き最後に全体を彩色し仕上げます。
旧能登川町佐野で大正時代初期に画商の寺井大門さんが、近江だるまの制作を始め、当時、縁起物としても親しまれていたそうです。その後、大門さんの息子、清二さんが近江だるまの制作を引き継がれましたが、事故によりだるまが作れなくなり、一時廃絶していました。
そのような中、地元有志が郷土玩具として魅力ある近江だるまを未来へ継承しようと、平成9年に近江だるま保存会を発足し活動を始めました。
毎年、能登川南小学校6年生を対象に行っているだるまづくり
現在、6人の保存会員が近江だるまづくりの活動をされています。最近では近江だるまを守り伝えていくために、作り方も、田んぼの土を粘土に変え、工程を減らし、少しでも制作しやすいように工夫をしています。現在は、飾り物として注文も寄せられています。また、地元能登川南小学校で、平成12年から6年生の総合学習に近江だるまづくりが組み込まれたことにより、保存会では、各クラス1カ月程度かけて作り方を教え、子どもたちに近江だるまの魅力を伝えています。