完全自家製ワインに挑戦 ブドウ農家 漆﨑厚史さん
[2019年9月4日]
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東近江市の愛東地区では、40年ほど前からブドウや梨といった果樹の栽培を地域全体で取り組まれています。収穫時期になると道の駅あいとうマーガレットステーションなどに所狭しと商品が並び、買い求めるお客さんで大変にぎわいます。しかしながら、愛東地区の果樹栽培についてもほかの産地と同様に後継者不足が深刻です。
そのような中、漆﨑さんは6年前に東近江市へ移住し、ブドウ農家の後継者として新規就農されました。「以前は大阪市でバスなどの整備士をしていましたが、もともと好きだったものづくりに関わる仕事をしたいと思っていたところ、NPO法人愛のまちエコ倶楽部が愛東地区で実施する就農体験に参加し、移住と就農を決意しました。農地もうまく紹介してもらえ、現在では約80アールで栽培しています」と振り返ります。
漆﨑さんが現在取り組まれているのが「完全自家製ワイン」づくりです。原材料をメーカーに卸すだけでなく、ワイナリーも持ち、ブドウの生産からワインの醸造まですべて地域で行うというものです。「地域内で新規就農をされる人もいますが、農地経営が困難で離農される人も多いのが現実です。完全自家製ワインを造れるようになると、作業も省力化でき、経営も安定させることができます。地域に新たなビジネスモデルを確立させて、多くの人が農業で夢を持てるようにしたい」と思いを話します。
完全自家製の仕組みをつくるのには、収穫量などさまざまなハードルもありますが、次世代にもつなげる農業モデルを目指して、漆﨑さんの挑戦は続きます。