地域の新しい風となり、政所茶を次世代につなぐ 山形 蓮さん(政所町)
[2020年3月13日]
ID:11315
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「宇治は茶所、茶は政所」とうたわれた銘茶 政所茶。産地である奥永源寺地域には、“ぽこぽこ”とした丸い茶畑が広がります。丹精込めて無農薬で育てられるこのお茶は、今でも希少な在来種が多く残り、全国のファンに愛されています。
山形蓮さんも政所茶を愛するひとり。大津市出身で情報誌のライターをされていましたが、平成24年に母校である滋賀県立大学が行うフィールドワークのお手伝いをする中で政所茶に出会われました。まち歩きをし、政所茶を生産する地域の皆さんの思いや生産量が減少している現状を知り「お手伝いができれば」と思い、滋賀県立大学の学生や卒業生などと政所茶の生産、販売を通した地域活性化活動をスタート。平成26年からは、市内初の地域おこし協力隊に就任し、奥永源寺地域に移住して本格的に政所茶をテーマとした地域おこし活動を始められました。「仲間とともに茶畑を借り受けて実際に生産や販売活動を始め、地域の皆さんと深く関わるようになり、さらにこの地域に対する思いが強くなりました。地域おこし協力隊として移住する際には不安もありましたが、思い切って飛び込みました」と山形さんは振り返ります。
地域おこし協力隊としては、地域外から参加者を募り政所茶摘みができる企画や企業とコラボした政所茶製品の開発などに奔走。老若男女を問わず多くの政所茶のファンを増やされました。3年間の任期後には、地域の皆さんも立ち上がり、地域初の生産組合「政所茶生産振興会」を設立。地域全体で政所茶の復興に向けた活動を始められ、政所茶の生産力やブランド力を向上させるため、生産者同士の勉強会などに取り組まれています。
「地域おこし協力隊任期中は、周囲の期待にプレッシャーも感じましたが、政所茶を通して多くの人とのご縁をいただけました。また、地域の皆さんとも本音で話せるようになり、皆さんの政所茶に対する強い誇りや愛情を感じて『まだまだ一緒に活動したい』と任期後も継続して取り組んでいます。地域の皆さんとともに大好きな政所茶や奥永源寺地域の暮らしを次世代につなぎたい」と話す山形さん。
地域内外の多くの政所茶を愛する「仲間」とともに、山形さんの挑戦は続きます。