○東近江市水道水源保護に関する条例

平成17年2月11日

条例第170号

(目的)

第1条 この条例は、水道法(昭和32年法律第177号)第2条第1項の規定に基づき、本市の水道原水である地下水が、市民共有の貴重な資源であることにかんがみ、水道原水の水質の汚濁を防止し、安全で良質な水及びその水量を確保するため、水道水源の保護について必要な事項を定めることにより、現在及び将来にわたって市民の生命と健康を守ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 水道水源 本市の水道事業による水道の供給水の原水となる地下水をいう。

(2) 水源保護地域 水道水源を保護するため、第6条により、市長が指定する地域をいう。

(3) 対象行為 水源保護地域内の水道原水の水質若しくは水道水源の水位、水流及び取水施設の水量に影響を及ぼすおそれのある行為で、別表に掲げる行為をいう。

(4) 事業者等 自ら対象行為を行う者、対象行為の実施の契約の発注者、事業主との契約により対象行為の実施をする者及び対象行為に係る土地、建物に関する権利を有する者をいう。(国、地方公共団体及び公共的団体を含む。)

(市の責務)

第3条 市は、水道水源の保護に関する計画の策定、実施及びかん養のための施策の推進等必要な措置を講じなければならない。

2 市は、水源保護地域における水質検査、水位測定等を実施しなければならない。

(市民の責務)

第4条 市民は、自ら進んで水を大切に用いるほか、市が実施する水道水源の保護に係る施策に協力しなければならない。

(事業者等の責務)

第5条 事業者等は、事業活動を行うに当たって水道水源に与える影響にかんがみ、自ら進んで市が実施する水道水源の保護に係る施策に協力しなければならない。

(水源保護地域の指定)

第6条 市長は、水道水源の水道原水を保護するため、水源保護地域を指定するものとする。

2 市長は、水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめ、20日以上の期間を定め、水源保護地域を示す図書を縦覧に供しなければならない。

3 市長は、前項に規定する縦覧の場所及び期間を縦覧の7日前に告示しなければならない。

4 市長は、水源保護地域を指定するときは、第2項に規定する縦覧期間経過後、東近江市水道水源保護審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、第1項の規定により、水源保護地域を指定したときは、直ちに、その旨及びその地域を告示しなければならない。

6 水源保護地域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

7 本条の規定は、市長が水源保護地域を変更する場合において第1項から前項までの規定を準用する。

(利害関係者の意見聴取)

第7条 対象行為を行おうとする者、水源保護地域内の土地の所有者等、その他水源保護地域指定に関し利害関係を有する者(以下「利害関係者等」という。)は、前条の指定に関し、市長に資料を添付して、同条第2項に定める縦覧期間中において意見書を提出することができる。

2 市長は、必要があると認めるときは、公聴会を開催して利害関係者等の意見を聴くことができる。

3 公聴会に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(水源保護地域内における対象行為の制限)

第8条 水源保護地域内においては、何人も市長の許可を受けない限り、対象行為を行うことができない。ただし、国、地方公共団体又は公共的団体が、災害対策若しくは災害復旧のため緊急を要する応急措置として行う対象行為については、この限りでない。

(申請の手続等)

第9条 水源保護地域内において、対象行為を行おうとする者は、当該対象行為に着手するまでに対象行為に関する申請書に水源保護地域内の水道原水の水質、水道水源の水位、水流及び取水施設の水量に影響を及ぼさないことを証する資料を添えて市長に許可の申請をしなければならない。

2 市長は、申請者に対しあらかじめ日時を定め、関係資料について意見を述べさせ、次条各号に規定する事項の証明をさせることができる。

3 市長は、東近江市水道水源保護審議会の意見を聴いて、申請書を受理した日から起算して90日以内に、許可又は不許可の決定をしなければならない。

4 市長は、前項の許可に際し条件を付すことができる。

5 市長は、許可又は不許可の決定をしたときは、申請者に対し通知するとともに、その旨を告示するものとする。

(許可基準)

第10条 市長は、対象行為が次の各号のいずれにも該当すると認めたものについては許可をすることができる。

(1) 水道原水の水質に影響を及ぼすおそれがないこと。

(2) 水道水源の水位、水流及び取水施設の水量に影響を及ぼすおそれがないこと。

(勧告等)

第11条 市長は、対象行為を行おうとする者が第9条第1項の規定による申請をせず、又は申請をする見込みがないと認めるときは、対象行為を行おうとする者に対し期間を定めて許可の申請をするよう勧告するものとする。

2 前項の規定により勧告を受けた者は、遅滞なく、市長に第9条の規定による許可の申請をしなければならない。

(対象行為の変更)

第12条 許可を受けた者が、許可の申請書に記載した対象行為の規模又は範囲を変更する場合においては、市長の許可を受けなければならない。その手続については、第9条の規定を準用する。

(停止命令等)

第13条 市長は、第8条の規定に違反して対象行為に着手した者、第9条第4項の規定による許可条件に違反して対象行為を行った者又は前条の規定に違反し対象行為を変更して行った者に対して、その者が行っている対象行為の停止を命じ、又は期限を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合には、これに代わるべき必要な措置を講ずる旨を命ずることができる。

(対象行為の中止及び取消し)

第14条 市長は、水源保護地域内において許可された対象行為の実施により、水源保護地域内の水道原水の水質若しくは水道水源の水位、水流及び取水施設の水量に影響が現れたと認めたときは、対象行為を行う者に対して直ちに当該対象行為の中止を命ずることができる。

2 対象行為を行う者は、前項の規定による命令に従い、その行為を中止しなければならない。

3 市長は、対象行為を行う者が第1項の規定による命令に従わない場合は、第9条の規定による許可を取り消すことができる。

(その他の行為)

第15条 市長は、水源保護地域内の水道水源に著しく悪影響を与えるおそれのある行為を行った者に対し、適切な措置を講ずるよう命ずることができる。

(違反事実の公表)

第16条 市長は、次の各号のいずれかに該当し、それに正当な理由がない者については、この条例に違反する事実並びに氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、名称、代表者の氏名及び所在地を公表することができる。

(1) 第8条の規定に違反し対象行為を行った者

(2) 第11条の規定に違反し勧告に従わない者

(3) 第12条の規定に違反し対象行為を変更して行った者

(4) 第13条の規定による停止命令又は措置命令に従わない者

(5) 第14条の規定による中止命令に従わない者

(6) 前条の規定による措置命令に従わない者

(弁明の機会の付与)

第17条 市長は、前条の規定による氏名等の公表を行おうとする場合においては、あらかじめその者に弁明の機会を付与するものとする。

2 前項の弁明の機会の付与については、東近江市行政手続条例(平成17年東近江市条例第19号)に規定する弁明の機会の付与の例による。

(立入検査等)

第18条 市長は、この条例を施行するために必要があると認めるときは、事業者等に対し当該対象行為に係る資料の提出を求め、又は職員若しくは市長の指定する者をして当該対象行為に係る施設に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、水道水源に及ぼす影響を調査させることができる。

2 前項の規定により立入検査又は立入調査を行う職員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査及び立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(審議会の設置)

第19条 水道水源の保護に関する事項について調査審議するため、東近江市水道水源保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、次に掲げる事項を審議する。

(1) 第6条第4項に規定する水源保護地域の指定に係る意見に関すること。

(2) 第9条第3項に規定する対象行為の許可又は不許可の決定に係る意見に関すること。

(3) その他水道水源の保護に関する重要な事項で、市長が諮問し、又は審議会が必要と認めたもの

(組織)

第20条 審議会は、委員15人以内をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 市民

(3) その他市長が必要と認める者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠による委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第21条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議等)

第22条 審議会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審議会の庶務は、水道部において処理する。

5 第19条から前項までに定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が会議に諮って定める。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年2月11日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の八日市市水道水源保護に関する条例(平成14年八日市市条例第19号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成28年条例第39号)

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

別表(第2条関係)

1 掘削を行う前の地盤面から垂直距離で2メートル以上の掘削をする行為の区域の面積が100平方メートル以上の行為

2 掘削を行う前の地盤面から垂直距離で2メートル以上の掘削跡を、在来の土砂以外の土砂(掘削を行う土地以外の土砂又は掘削を行う土地以外で採取された土砂が混入した土砂を含む。)を使って、その全部又は一部を埋め戻す行為で、その行為の区域の面積が100平方メートル以上の行為

3 土砂等(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。)により埋立、盛土又はたい積する行為で現況の地盤高と行為完了後の地盤高が1メートル以上の差を生ずる行為の区域の面積が100平方メートル以上の行為

4 吐出口の断面積が19.6平方センチメートル以上の揚水機(2以上あるときは、その断面積の合計)を用いて地下水を採取する行為又は日量100立方メートル以上の地下水を採取する行為

5 廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。)、農薬又は廃油を規則で定める量を超えて、屋外で保管若しくは処理し、又はその処分場を設置する行為

6 廃自動車、廃自動二輪車、廃原動機付自転車又は廃農機具を規則で定める台数を超えて、屋外で保管若しくは放置する行為

東近江市水道水源保護に関する条例

平成17年2月11日 条例第170号

(平成29年4月1日施行)