○東近江市農業次世代人材投資資金交付要綱
平成29年12月14日
告示第453号
東近江市青年就農給付金交付要綱(平成25年東近江市告示第28号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)の趣旨に基づき、次世代を担う農業者となることを志向する者に対して経営開始型の農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)を交付することに関し、滋賀県農業次世代人材投資事業費補助金交付要綱(平成24年6月13日付け滋農政第436号滋賀県農政水産部長通知)及び滋賀県農業次世代人材投資事業事務取扱要領(平成24年7月2日)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(交付要件等)
第2条 この要綱により資金の交付を受けることができる者は、次の要件のいずれにも該当するものとする。
(1) 独立又は自営就農時の年齢が原則50歳未満であり、次世代を担う農業経営者となることについての強い意欲を有していること。
ア 農地の所有権又は利用権を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械及び施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 交付対象者の名義で生産物、生産資材等の出荷及び取引をすること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げ、経費の支出等の経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第14条の4第1項に規定する青年等就農計画(以下「青年等就農計画」という。)の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項の規定により認定の取消しを受けた場合及び同条第3項の規定により認定の効力を失った場合を除く。
(4) 農業経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。以下同じ。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長に認められること。この場合において、市長は、当該経営が新規参入者と同等の経営リスクを負っていると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は、これを提示するものとする。
なお、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人をいう。)以外の農業法人を継承する場合は、交付の対象外とする。
(5) 第5条に規定する青年等就農計画等が次に掲げる基準のいずれにも適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等の関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 当該計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(6) 本市が定める人・農地プラン(人・農地問題解決加速化支援事業実施要綱(平成24年2月8日付け23経営第2955号農林水産事務次官依命通知)に定める実質化された人・農地プラン等をいう。以下同じ。)に中心となる経営体として位置づけられていること若しくは位置づけられることが確実と見込まれていること又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 原則として、生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 農業人材力強化総合支援事業実施要綱別記2に規定する農の雇用事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1に規定する経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(8) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保証等に加入し、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 新たに農業経営を開始する者又は農業経営を開始した日の属する年度が資金の交付を申請する年度から起算して5年度以内の者であること。
(10) 第5条の青年等就農計画等の承認申請時において、前年の世帯全員の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、採択することができる。この場合において、市長は、当該事情があると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は、これを提示するものとする。
(11) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持及び発展に向けた活動に協力する意思があること。
(資金の交付額)
第3条 交付する資金の額は、次に掲げるとおりとする。
(1) 令和2年度以前の採択者は、経営開始初年度は交付期間1年につき1人当たり150万円とし、経営開始2年目以後は交付期間1年につき1人当たり350万円から前年の総所得(農業経営開始前の所得、被災による資金の交付休止期間中の所得及び資金を除く。)を減じた額に5分の3を乗じて得た額(その額に1円未満の端数が生じた場合は、その額を切り捨てた額)とする。ただし、前年の総所得が100万円未満の場合は、150万円とする。
(2) 令和3年度以後の採択者は、経営開始1年目から経営開始3年目までは交付期間1年につき1人当たり150万円とし、経営開始4年目以後は交付期間1年につき1人当たり120万円とする。
(1) 家族経営協定を締結しており、当該夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有していること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等となること。
3 複数の青年就農者が農業法人を設立して共同経営する場合は、当該青年就農者及び農業法人が人・農地プランに位置づけられた者等に限り、それぞれに交付期間1年につき第1項の規定により算出した額を交付する。ただし、経営開始後5年以上経過している農業者(当該農業者が資金の交付を受けている場合は、その5年度目を超えている農業者)が法人の役員に1人でも存在する場合は、当該法人の他の役員についても交付の対象外とする。
(資金の交付期間)
第4条 資金の交付期間は、最長5年間とする。ただし、既に農業経営を開始している者に対する資金の交付期間は、農業経営を開始後5年度目分までとする。
(青年等就農計画等の変更申請)
第7条 前条第1項の規定により承認を受けた者(以下「交付対象者」という。)が青年等就農計画等の内容を変更しようとする場合は、市長に計画の変更を申請し、その承認を受けなければならない。ただし、追加の設備投資を要しない程度の経営面積の拡大、品目ごとの経営面積の増減等の軽微な変更の場合は、この限りでない。
(資金の交付申請)
第8条 交付対象者は、農業次世代人材投資資金交付申請書(様式第2号)により市長に資金の交付を申請するものとする。
2 前項の規定による申請は、半年ごとに行うことを基本とし、申請する資金の対象期間の最初の日から1年以内に行われなければならない。ただし、市長が特別の事情があると認めるときは、1年分の資金の交付を申請することができる。
(資金の交付決定等)
第9条 市長は、前条第1項の規定による申請の内容が適当であると認めた場合は、資金の交付の決定及び交付額の確定を行い、交付対象者に通知するものとする。
(サポート体制の整備)
第10条 市長は、平成29年度以降の新規交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」の各課題に対応できるよう、滋賀県東近江農業農村振興事務所農産普及課その他の関係機関に所属する者及び指導農業士その他の関係者で構成するサポート体制を構築するものとする。
2 市長は、前項のサポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」及び「農地」のそれぞれの専属のサポートチーム(以下「サポートチーム」という。)を選任し、交付対象者の各課題の相談先を明確にするものとする。
3 令和3年度以後に採択された交付対象者のサポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させるものとする。この場合において、当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
4 サポートチームは、第13条に規定する中間評価において、令和2年度以前に採択された交付対象者についてはB評価相当の者に対し、令和3年度以後に採択された交付対象者についてはA評価の者のうち重点指導が必要と判断された者に対し、重点指導を行うものとする。
3 資金受給者は、資金の受給期間内及び受給期間終了後5年(平成28年度以前の資金受給者にあっては、3年)の間に住所を変更した場合は、変更後1箇月以内に住所変更届(様式第6号)を市長に提出しなければならない。
(就農状況の確認等)
第12条 市長は、前条第1項の規定により就農状況報告を受けた場合は、サポートチームと協力し、資金を受給している期間及び交付期間終了後5年の間(平成28年度以前の交付対象者については交付期間及び交付期間終了後3年の間)において、資金受給者が交付対象者の考え方を満たしているかどうか実施状況を確認し、必要があると認めるときは、サポートチームと連携して適切な指導を行うものとする。
3 市長は、事業の適切な実施及び効果を確認するため、必要と認める場合は、資金受給者に前条第1項の就農状況報告のほか、必要な事項の報告を求めることができる。
第13条 市長は、交付対象者に対し、次に掲げるとおり中間評価を実施するものとする。
(1) 平成29年度から令和2年度までに採択された者
イ 中間評価の評価区分は、原則として、A評価(良好)、B評価(やや不良)及びC評価(不良)の3段階とし、評価会の評価結果を受け、市長が決定する。
(2) 令和3年度以後に採択された者
イ 中間評価の評価区分は、A評価(順調)、B評価(順調ではない)の2段階とし、評価会の評価結果を受け、市長が決定する。
ウ イの評価区分のうちA評価に該当する者は、次のいずれかに該当する者とする。
(ア) 経営開始3年目の農業所得が、青年等就農計画における経営開始5年目の農業所得目標のおおむね2分の1を達成する者
(イ) (ア)の基準を達成できていないが、次のいずれかに該当する者で、農業所得目標の達成が見込まれると市長が認めるもの
a 設備投資等の経費がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業所得が農業所得目標のおおむね2分の1を達成していないが、経営開始3年目の農業収入が、収支計画(様式第1号別添1)における経営開始5年目の農業収入目標のおおむね2分の1に達している者
b 災害による収量の低下、市場価格の下落等、本人の責によらない原因により農業所得目標又は農業収入目標のおおむね2分の1を達成できていない者
(資金の受給の中止)
第14条 資金受給者は、資金の受給を中止する場合は、中止届(様式第8号)を市長に提出しなければならない。
(農業経営の休止等)
第15条 資金受給者は、農業経営を休止する場合は、休止届(様式第9号)を市長に提出しなければならない。この場合において、休止期間は、1年以内とする。
(資金の交付の停止)
第16条 市長は、資金受給者が次の各号のいずれかに該当する場合は、資金の交付を停止する。
(1) 第2条に規定する要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第11条第1項の就農状況報告を行わなかった場合
(5) 第12条の規定による就農の実施状況の確認等により、次のいずれかに該当することが認められる場合
ア 青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合
イ 耕作すべき農地を遊休化した場合
ウ 農作物を適切に生産していない場合
エ 農業従事日数が年間150日程度かつ年間1200時間に満たない場合
オ 第12条第1項の規定により、交付対象者の考え方を満たさず市長から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合
カ その他適切な農業経営を行っていないと市長が認めた場合
(6) 令和2年度以前の採択者で、前年の総所得(農業経営開始後の所得に限り、資金は除く。)が350万円以上であった場合。ただし、その後において総所得が350万円を下回った場合は、当該下回った年の翌年から資金の交付を再開することができるものとする。
(7) 令和3年度以後の採択者で、前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合。ただし、その後において世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から資金の交付を再開することができるものとする。また、当該所得が600万円を超える場合において、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合は、交付することができる。
(8) 令和2年度以前の採択者で、中間評価区分がC評価相当とされた場合
(9) 令和3年度以後の採択者で、中間評価区分がB評価相当とされた場合
(離農等)
第17条 平成29年度以降の資金受給者は、受給期間終了後の5年の間に離農等により、それ以降農業経営をしない場合は、離農後1箇月以内に離農届(様式第11号)を市長に提出し、離農した月を含む半期までの就農状況報告を行うものとする。
(資金の返還)
第18条 市長は、資金受給者が偽りその他不正な行為により資金の交付を受けたと認める場合又は第16条の規定により資金の交付を停止した場合であって既に当該資金の交付を行っている場合は、当該資金の全部又は一部の返還を命じるものとする。
2 交付期間終了後、交付期間と同期間中に離農した資金受給者は、農業経営を継続しない期間分の交付額を返還しなければならない。この場合において、当該返還しなければならない額は、交付を受けた資金の総額に、農業経営を継続しなかった期間(月単位とする。)を交付期間(月単位とする。)で除した値を乗じて得た額とする。
(経営発展支援金事業)
第19条 市長は、新規就農者の経営発展に向けた取組を支援するため、経営発展支援金(以下「支援金」という。)を交付するものとする。
3 支援金の交付を希望する者(以下「支援金申請者」という。)は、経営開始型の交付期間4年目の交付対象期間中に、経営発展支援金交付申請書(様式第12号)により、市長に申請しなければならない。
4 市長は、前項の申請があったときは、その内容を審査し、支援金申請者の更なる経営発展につながる取組であると認める場合は承認し、審査結果を支援金申請者に通知するとともに支援金を交付するものとする。
5 前項の承認を受けた支援金申請者が承認された内容を変更する場合は、変更した交付申請書を市長に提出するものとする。
8 市長は、前項の報告書の提出があったときは、その内容を審査し、適当であると認める場合は承認し、支援金の精算を行うものとする。
9 支援金の交付額は、第4項の規定により承認された取組の実現に必要な額のうち他の助成措置等による助成額を除いた額とし、支援金受給者が交付3年目に資金の交付を受けた場合の交付額に2を乗じて得た額又は150万円のいずれか低い額を上限とする。
10 支援金の対象経費は、第4項の規定により承認された取組に直接要する経費で、書類によって使途及び金額が確認できるものに限る。
12 市長は、支援金申請者に支援金を交付するときは、担い手育成・確保等対策事業費補助金等交付要綱(平成12年4月1日付け12構改B第350号農林水産事務次官依命通知)の第14から第16までの規定に準じて、取得財産等の管理及び処分の制限並びに補助金の経理について条件を付さなければならない。
13 市長は、支援金受給者に対し、取得財産等の管理、処分、関係書類の整備等において適切な措置を講じるよう指導監督するとともに、第12条の規定による就農状況の確認において、本事業実施後の当該財産の管理運営及び利用状況を把握するものとする。
14 支援金受給者が融資機関から行われる融資を活用し、農業用機械等の導入等の事業を行う場合については、当該事業に係る経費から融資額を除いた自己負担部分に充当することも可能とする。
附則
この告示は、平成29年12月14日から施行し、平成29年4月1日から適用する。
附則(平成30年告示第74号)
この告示は、平成30年4月1日から施行する。
附則(平成30年告示第76号)
この告示は、平成30年10月9日から施行する。
附則(平成31年告示第87号)
この告示は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和2年告示第249号)
この告示は、令和2年9月10日から施行し、この告示による改正後の東近江市農業次世代人材投資資金交付要綱の規定は、同年4月1日から適用する。
附則(令和3年告示第293号)
この告示は、令和3年12月8日から施行し、改正後の東近江市農業次世代人材投資資金交付要綱の規定は、同年4月1日から適用する。