2015第11回(平成27年度) 11th |
東近江市美術展覧会 An art exhibition |
入賞作品集 A work of selected arts |
彫刻彫塑部門 審査員 :森 佳三
<総評>
出品数が少ない点はいささか残念であるが、多様なスタイルの表現が見られた。
それゆえ、技術的な面よりも、むしろ作品の発する情感に重点を置いて評価した。
市展賞の「セミナリヨ」には、鉄の素材の美しさによって、その情感が重厚に表現されているが、そのほかの作品に関しては、今後、フォルムと素材の関係を再度、熟考してもらえたらと思う。
市展賞
【命 題】セミナリヨ
【住 所】東近江市
【氏 名】津田 英明
【特別賞】東近江市芸術文化祭実行委員会委員長賞
【講 評】力強さと同時に繊細さが感じられ、それらが宗教的な詩情、いわば厳かさとなって生起している。モチーフと鉄の素材が見事にマッチしており、完成度も非常に高い。
特選
【命 題】野武士の面
【住 所】東近江市
【氏 名】一円 敏彦
【特別賞】中日新聞社賞
【講 評】余呉湖で得られたインスピレーションを元にして作られたということで、確かに神秘的な霊性が表現されている。今後は選択する素材を更に深く吟味されることを勧める。
佳作
【命 題】歩
【住 所】東近江市
【氏 名】元木 重吉
【特別賞】―
【講 評】まず、高度な彫りの技術力を評価した。像の表情にも苦心の跡が見られる。ただし、腕の長さが左右違うなどのデッサン力の不足が、マッスの存在感を損ねているように思われる。
佳作
【命 題】季節は廻り~2015・秋
【住 所】東近江市
【氏 名】北村 幸助
【特別賞】―
【講 評】豊かな詩情が表現されていると思う。小学生のころに描かれた絵を、立体にリメイクされたということであるが、その制作動機に、表現者の一人として心打たれた。ただし、こうしたイメージを表現するのに、今回使われた素材がふさわしかったのか見直して欲しい。