2015第11回(平成27年度) 11th |
東近江市美術展覧会 An art exhibition |
入賞作品集 A work of selected arts |
書部門 審査員 :神田 浩
<総評>
出品作の表現が多様で幅広く、感心しました。
その中でもとりわけ作者の主張が鮮明なものが入賞したように思います。
若い高校生の出品が多くあり、入賞も果たしたことは特筆されます。
大きな舞台での勝負は学びも大きいものです。
来年も大いにチャレンジしてください。
市展賞
【命 題】髪被両肩
【住 所】東近江市
【氏 名】新庄 明美
【特別賞】東近江市長賞
【講 評】粘り強い筆致で力動感溢れる秀作。文字の大小の変化をよく取り入れ、うねるような行間が印象的。書作に向かう気合と永年の練磨を感じさせる。
特選
【命 題】草原
【住 所】東近江市
【氏 名】山本 渓翠
【特別賞】朝日新聞大津総局賞
【講 評】美しいにじみと古代文字の造形美を咀嚼し、抽象画を思わせるような紙面構成に展開された力量は見事。現代性に溢れ、これからの書の一つのあり方を提起しているかのようだ。
特選
【命 題】子守唄
【住 所】愛知郡愛荘町
【氏 名】北川 知栄子
【特別賞】滋賀報知通信社賞
【講 評】長鋒を苦もなく使いこなし、自分のリズムで落款に至るまで書き抜かれ見事。紙面の白が美しく、随所に墨を効かせ、筆の割れも生かされ、力量の高さが伺える。
特選
【命 題】漢詩句
【住 所】蒲生郡日野町
【氏 名】長束 典子
【特別賞】びわ湖放送株式会社賞
【講 評】隷書の書法を充分に身につけ、自信を持って書かれている姿が目に浮かぶ。紙面構成は構築性に富んでいるが、筆の動きは流動性に溢れ、墨の潤滑の変化が魅力的。
佳作
【命 題】王維の詩
【住 所】東近江市
【氏 名】小堀 勝子
【特別賞】―
【講 評】明清の書をよく学ばれ、自在な筆の動きとデフォルメの強い造形とがよく調和している。筆線にいっそうの強さを望みたい。
佳作
【命 題】明星
【住 所】東近江市
【氏 名】矢川 智水
【特別賞】―
【講 評】紙に色彩を施し、楽しんで書かれていることが伝わる作品。藤村の詩の世界を敷衍し、独自の世界を表出された若さ溢れる作。
佳作
【命 題】漢詩(菜根譚より)
【住 所】東近江市
【氏 名】武村 文美子
【特別賞】―
【講 評】横に広がる文字造形を基調にし、一貫性がある。字形的にこなれないところが散見されるのが惜しい。
佳作
【命 題】臨 楊峴
【住 所】東近江市
【氏 名】三上 朋華(高校生)
【特別賞】―
【講 評】まじめに古典に対峙し、高校生ながらその味わいに迫っている点が素晴らしい。培った力を生かし創作作品にも挑戦してほしい。
佳作(高校生奨励)
【命 題】臨 楽毅論
【住 所】近江八幡市
【氏 名】山田 美結奈(高校生)
【特別賞】―
【講 評】古典の特徴を自分なりに捉え、表現できている。多字数を緩むことなく書き切った集中力は見事。創作作品にも挑戦してほしい。