日本画部門 審査員 :大西 健太
<総評>
自身の内面と向き合い、日常に色を足すように描かれた作品が多く集まったように思います。コロナ禍で先の見えないトンネルをようやく抜け出そうとしています。薄明りでも希望を持ち、この先も光ある暖かい作品が心の支えになる事を願います。
市展賞
【命題】皮染場への案内板
【住所】東近江市
【氏名】木澤 幸子
【特別賞】東近江市長賞
【講評】作者の眼差しが画面から伝わり、感性豊かに現地の風景を描いた優作です。白と黒の世界の中、道しるべのように看板だけに差し色が入り、独自のセンスが光っています。
特選
【命題】母山羊
【住所】東近江市
【氏名】野田 俊江
【特別賞】中日新聞社賞
【講評】優しい色調の中、母山羊が描かれています。作者の穏やかな気持ちが山羊を通して伝わり、とても心地の良い作品です。
特選
【命題】晩夏
【住所】東近江市
【氏名】辻 節子
【特別賞】滋賀報知通信社賞
【講評】夏の終わりに力強く花開く様子を丁寧に表現しています。背景のマチエールも面白く、画面全体に効果的な表情が現れて、花の生命力を感じます。
佳作
【命題】晩秋
【住所】彦根市
【氏名】 本田 充
【講評】秋の終わりから冬に向かう情景。どこか温かな色彩で情緒があり、見る人の中に優しく響き、心が落ち着く良作です。
佳作
【命題】永源寺識盧の滝
【住所】彦根市
【氏名】牧野 昌代
【講評】自然の中で作者が誠実に対象を見つめて描かれ、絵肌から実感が伝わります。滝の表現は難しいですが、丁寧に描き込まれた画面からその場所の空気や音を感じます。
佳作
【命題】水辺の風情
【住所】甲賀市
【氏名】堤 智惠美
【講評】小さな画面から自然世界が広がり、じっくりと描写されて情感が生まれています。気持ちが絵の中に投影され、モノトーンの中に色彩を感じます。